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√５丁目、見えない世界
キャンバス 油彩 2273㎜×4365㎜ 2018年制作
わたしたちが視覚的に把握できる世界は限定的なものに過ぎず、その大半は未知なるものだ。並行するそれらの世界は時折、無線機の混信のように干渉しあうことがある。待ちあわせで同じ場所にいるのに出会えないことや、突然姿を消す子どもたち。彼らのいる次元はわたしたちの次元と同じものであるのだろうか。
並行世界はSFファンタジーではない。実際にわたしたちの日常生活のなかに存在している。鳥居をくぐるとき、夜空を見上げたとき、ひとりぼっちの夕暮れ、あるいは自室で、そこがさきほどまでいた場所と本当に同じ場所なのかまたはそっくりな別次元なのか、あたりをよく見回してみるといい。√５丁目は割り切れない町だ。小数点以下、揺らぐ数が広がり分枝するどの道を通って家まで帰ろう。
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