〈スクロールしてご覧ください〉
SPACE FATHER
紙 ガッシュ 300㎜×260㎜
上:2017年制作 下:1995年制作
9歳くらいの時に宇宙を漂うおもちゃのロボットになった父の絵を父の日のプレゼントに描いた。宇宙のおよそ8割の物質はまだ何なのか分かっていないダークマターだとゆう。
目には見えないけれど質量から存在しているということだけは観測できる。数年前に父が亡くなり、いままで共有していた次元から移行し目に見えない存在になった。死もまたダークマターのひとつとして宇宙の闇に溶けている。
死後、数回面白い事があった。実家の壁にこの絵と父の写真が並べて掛けてあるが、その日は来客があり、なぜか父の写真の目がきらきらしてみえていたという。
父の知らない話を母と来客がした時にいきなり音をたてて写真が傾いたり、また別の日に来客が来た際にお茶を飲んでいると父の寝室から壁をコツコツする音が聞こえて来客が怖がったりすることがあったようだ。
父は無口なわりに来客が来るといつもなぜか参加していたので、それを思い出した。この絵を再度描き、何が変わったのかを探ってみると、死を跨いでも思っていたほどの変化は無いように感じられた。相変わらず同じような感性で絵を描いている。
そして見える見えないに関わらず、関係性には何も変化はないようだ。
BACK